杉並区はこのほど、「高井戸社会教育会館を廃止」し、そこに「高井戸図書館を移転」、そして、「高井戸図書館は、中学校教室に改造」するという方針を打ち出しました。それぞれの利用者から反対の声があがり、この方針は大きな波紋をもたらしています。
井の頭線の南の高井戸地域は図書館のブランクエリアであり、運動を続けて長年望んでいた高井戸図書館が出来たのは1998年の事でした。高井戸中学に併設となったのは区の財政上の都合でした。当初中学側は、15学級必要だと言っていましたが、教育委員会は12学級で計画してしまいました。
今回、住宅地の用途変更によりマンションが増えたことや学校希望制による生徒数増加のため図書館を改造して教室をつくり、区内で一番新しい図書館は高井戸社会教育会館へ移転するという計画が出ています。
図書館は図書館協議会で検討し、学校教育と社会教育の融合の視点のもとに計画され、区内で初めて「ヤング・アダルトコーナー」もつくり、今では中学生の利用も多く、本離れが言われているなかで理想的な併設となっています。また、地域住民にとっても身近な読書の場として生涯教育の拠点となってきています。
中学校生徒の教育環境を整えることは重要ですが、学区域の変更や図書館の三階に教室をつくるなど、他の方法を考えるべきだと思います。
次に、財政上の問題ですが、高井戸図書館は、地下に30万冊の保存庫を有しているため九億円の建築費がかかっております。新しく建設予定の図書館は五億円、中学に改装するには二億円、ざっと計算しても七億円以上かかり、税金の無駄遣いの何ものでもありません。
その上、保存庫をそのまま活用するとの事ですが、その人件費を考えると「スマート杉並計画」(注)などと言っている区の方針に反するのではないのでしょうか。今回の計画は、学校もPTAも賛成していませんし、図書館利用者には何も説明されておりません。区は区民とのパートナーシップと言っていますが。
高井戸図書館の移転は再検討を要すると考えます。
15年3月に高井戸社会教育会館を廃止する計画については、利用者の反対、陳情にもかかわらず、11月12日の文教委員会に78議案で提案され可決されました。 (F.M.記)
<高井戸社会教育会館>
浜田山4-15-12 TEL 3311-3442
ホール1(70席)、集会室1、和室1、読書室1
1カ月当たり 180団体、約2000名が利用。
元青年館。社会教育施設として、広く区民に利用されており、急に廃館の提案に、存続を求める緊急署名や、区民による議会の傍聴なども取り組まれているようです。
<高井戸図書館>
建設費8億8千600万円。平成10年開館。
(開館してまだ4年です!!)
蔵書84,988冊
CD2,757枚
平成13年度の貸し出しは、10万人を越える。
高井戸東1−28−1
<高井戸中学校>
544人・15クラス。区内一番の過大校。
体育館・プールともに、一人あたり杉並平均の約半分。「用途地域の見直し」が行われたため、高井戸中学校周辺がマンション建設ラッシュになった。また、杉並区は「学校自由選択制」を導入したため、ますます生徒が増加。平成9年度の学校改築の祭、父母からもっと教室を増やして欲しいという要望があったが、12学級に押さえられ、プレハブ教室で対応している現状。区の見通しと施策にギャップがあると指摘されている。
*編集部注
「スマートすぎなみ計画」とは・・・・?
杉並区が、2000年10月に発表した、行財政改革の指針(十ヵ年戦略)と実施プラン(平成13〜15年度)。最近、平成15〜17年の第二次実施プランも発表された。
本当の税金のムダ使いとは何か、区民も考えていかなくては、いけませんね。 |