『すぎなみ文化通信』2002年4月号特集
◆『杉並の子どもたちの 今と未来を語ろう』◆


「お〜い、杉並の子どもたち。元気かい?」
暗いニュースが駆けめぐる時代。
あらためて、子どもたちの今と未来を語りあいましょう。
  
1.「杉並の教育を考えるみんなの会」の
        丸浜江里子さんにお聞きしました

   
小学校の校庭・「芝生化」の謎


 2月26日の朝日新聞の都内版を、みましたか?

「『ふかふか緑の校庭』一面のみどりの絨毯が、杉並区立和泉小学校に誕生した。11月にまいた種が順調に育ってふさふさとした芝に誘われ、小鳥や、昆虫も舞い降りている。本格的な利用は4月の新学期で、学校開放で利用する地域の人たちも待ちわびている」という記事にはじまって全面区の広報かという記事。農薬をすでに2回(シバクリン他)撒いていることも、反対の声があることも全然ふれずに、区で聞いたことのみ書いている記事です。新聞は為政者の宣伝紙?     
                     丸浜江里子

   * * * *  

Q.芝生化の経費は?
A.杉並区教育委員会に何度も足を運んで調べたところ、平成十三年度の予算では、300円×3校=900万円だったのが、いつの間にか、和泉小3000万、八成小1000万、合計4000万円(4.4倍)にも膨れていました。この費用は、「倹約して捻出した」とのこと。

Q.親や地域の人の声は?
A.「区長は、やって欲しいといっていることはやらないで、やって欲しくない事ばかり押しつけてくる」「ドッチボールの線も引けない」「子どもたちに必要なのは、花壇や雑草や実のなる木、季節を感じさせる樹木など、雑多にあるほうがいい」と親や地域の人からも声があがっています。「樹木が少なくて教室に直射日光があたり、夏の学習環境は最悪。せめて、扇風機を。」「現場の先生方は超多忙で、子どもたちと話をするゆとりもない。その上、芝生の管理。芝生に入るなと子どもたちを管理・・・?」
しかも、今後のメンテナンスに、数百万の単位でお金をかけ続けなくては維持できないそうです。

Q.区内の全小学校が、芝に?
A.全面芝は和泉だけです。八成小学校は、トラックの外。今日聞いたのですが、上高井戸保育園も芝生化するということです。農薬がとても心配です。

Q.和泉小学校では、この半年の間、休み時間や体育の授業は、どうしていたのですか?
A.和泉中学校の校庭を利用するという話でしたが、10日に一度程度しか行っていないそうです。あとは、屋上を遊び場にしていたということですが・・・。

   * * * *  

「杉並の教育を考えるみんなの会」は、区長による二名の教育委員の変更をきっかけにうまれ、昨年は、「つくる会」教科書の間違いを訴えてきました。現在は教育委員会の傍聴をしながら、杉並区の「教育改革」を市民の立場から点検する活動や市民歴史講座などをしています。会員制でなく、ゆるやかにつながろうと定期的に通信を送っています。教育に興味のある方は下記へ。

T/F(3334)6656東本、FAX(3331)4538 丸浜
   事務局・杉並区久我山5-15-22丸浜



2.世界でたった一冊の
      おかあさんと子どもの絵本


 長男の通う幼稚園では、毎年お母さんに「手づくり絵本をつくる」という宿題が出されます。子どもと作ったり、デジカメの写真で構成する人、創作童話にする人など様々ですが、「今しか、この人しか作れない、世界でたった一冊の絵本」が生まれます。今年は4月にギャラリーで展示されることになりました。同時に、園長の井口佳子先生が、カメラを通して子どもたちの日常の活動を記録した写真も展示されます。親でもプロのカメラマンでも撮れない子どもたちの表情を、多くの方に見ていただきたいと思っています。
              山下有美(下井草在住)



3.社会のひずみに生きる
    児童養護施設の子どもたち


「悪いことしたら、地獄に行くの? 僕、今日女の子をいじめちゃった。」 二年生の男の子が、深刻な顔で聞いてきました。
「ごめんねって言った?」
「ううん。でも、そのあと初めて、その子と話をしたよ。」
「私も子どもの時は、いたずらしたり、ケンカしたりしたよ。でも、ごめんねってちゃんと言えるといいよね。人は、体も心も傷つけちゃいけないんだよ。」
「じゃあ、大人になって悪い事したら、地獄に行くの?」
「そうねえ。牢屋に何年も入れられちゃうかもね。」
「じゃあ、夫婦ゲンカは?」
(どきっ!)

   * * * *  

 私は、杉並区内の、ある民間の児童養護施設に、毎週、学習ボランティアとして通っています。右記は、その一場面での会話です。

 児童養護施設とは、親が養育できなくなった子どもたちのための施設です。一時期、入所児童は減っていたのですが、ここ数年、急増しているそうです。子どもたちは、家庭の複雑な事情で入所して来ます。ひと言も話をせず、障害児かと勘違いされたり、全身に針のよろいを着て他人を信用しない子もいます。

 でも、職員さんの寝食を共にした手厚い援助に守られて、ぐんぐんと表情が明るくなっていくのがわかります。学習ボランティアも、1年間、一対一で同じ子どもと接していくので、信頼関係が生まれ、大人も学ぶ事の多い有意義な活動です。

 ボランティアサークルとして、ハイキングなどのイベントも企画しています。最近はインターネットで、若い人たちの参加が増え、地域の熟年層と力をあわせて運営しています。ボランティアをやってみたい人はご連絡ください。
      竹内 ゆかり  take-one@nifty.com

 *『すぎなみ文化通信』 2002年 4月号 NO.158  掲載