私、高橋が杉並のいろんなところに行き、地域の人と触れ合って街の魅力を発見しようということで始まりました新企画。今回は、その地へ引っ越して数ヶ月の同僚が「デフレ街」と称す方南を歩きます。ドンキホーテや全国展開している格安の古本屋がある方南で、そうした大型店に負けじと頑張る商店街から私は散策をスタートしました。
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方南には方南通り、環七、中央通り、ファミリーロードに沿っていくつかの商店街がのびる。駅東口を出て中央通りを歩くこと数分、揚げ物のいい匂いにつられて立ち寄った宮川鳥肉店で「方南町マップ」なるものを発見した。商店街のことがちょっとした説明つきで紹介されているスグレモノだ。
一見恐そうなご主人にこの地図がどこかで手に入らないかと尋ねると「ひとつくらいうちにあったはず」と仕事を中断して探してくれただけでなく、向かいの店にまで聞いてくれるほどの親切ぶり。「はいよ。八月には新しいのができるから、また寄ってよ」と地図を差し出すご主人の笑顔に「これだよな、商店街のよさは」と実感した。
ちなみに、方南町マップはベレー帽がトレードマークの秀文堂の社長さんを中心に作成されていて、通常そちらの書店で手に入るらしい。
次は、方南町マップに「東京で一番うまい豆腐を売る店」とあるいづみやさんへ。店内に流れる音楽に負けない声でご主人を呼び手作り豆腐を買うと、油揚げを一枚おまけしてもらった。
豆腐の味もさることながら、この店では豆乳とおからを使った自家製ドーナツが評判らしい。人気商品とあって私が行った夕方には既に売り切れていた。
驚いたのは、いづみやさんの二軒隣にある「かんだ惣菜店」の緑色をした蓬入りうどん。見た目はちょっと違和感があるが、春らしくて健康にもいいためか、五十代くらいの女性がたくさん買い込んでいた。
他にも自作の湯呑みが楽しくできる陶芸教室や碁会所、同僚がデフレ街と言うだけあって二百円からお酒が飲める居酒屋まで様々な施設や店があった。
方南を歩き回って数時間、すっかり日が落ちて、会社帰りのサラリーマンや茶髪の若者が忙しそうに行き交う中、方南町マップと豆腐一丁、油揚げ一枚を手に私は商店街を後にした。
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