お部屋一面に、野草の写真が飾ってあって、驚きました。矢代さんは、毎日、玉川上水を歩いていらっしゃるのですか?
◆そう。四年前に体を悪くして、仕事をやめて、歩き始めたの。上水っぺりをね。そうしたら、故郷の田舎の野草と同じのがあるじゃない。びっくりしてね。
カントウタンポポだって、もう東京の街中じゃ、見られないでしょ。それがね。上水の柵の中には咲いているの。柵のすぐ外は、セイヨウタンポポ。柵の中にはカントウタンポポ。有史以来、生き残ってきたんだよね。いろんな種類があるよ。チダケサシ(*写真)とかね。東京都のレッドデータに指定されている貴重な植物が、いくつもあるのさ。
―レッドデータというと、もう絶滅しかけていると言うことですか?
◆そう。ここにしか残っていないような植物もあるのよ。林にはキンランが、すっくと咲いているのさ。十本くらいね。シュンラン・カタクリ・ニリンソウ・ヒトリシズカ・ヤブレガサ。キンミズヒキは、去年五本見つけたよ。
めずらしい虫も沢山いるよ。
ゴマダラチョウ・ケラ・スズメガ・セセリチョウ・イトトンボ・クロアゲハ。
この写真見て。先週見つけたのだけど、何ていう虫か分からないの。十pもある、大きな虫だったわ。『すぎなみ文化通信』に載せて、分かったら教えてね。
ヒメオドリコソウは、道端にいくらでも咲いているけど、オドリコソウ見たことある?白い花が咲くのよ。それから、クサボケ。フウノハナワラビも二つ見つけたわ。ウド・ゼンマイ・イカリソウ・コバノカモメヅル・ネコメソウ・ホウチャクソウ・ツリガネニンジン。
―あ、いくつかは、高原で見たことがあります。杉並にも咲いているなんて、驚き!高山植物かと思っていました。
◆これ、面白いでしょ。ママコノシリヌグイ。
―え、ピンクの可愛い花なのに。「継子の尻拭い」って、すごい名前ですね。
◆見てごらん。茎には細かい刺がビッシリさ。
つづく(聞き手・竹内 ゆかり)
|